2011年05月14日

「かけはぎ」とは?

リフォームショップの店頭受付に立っていると、

「破れてしまったので、かけはぎお願いしたいんですけど」とよく言われます。

皆様どの程度「かけはぎ」についてご存知かわかりませんが、

だいたいの目安で料金をお伝えすると、びっくりされてしまいます。

たとえば、小指の先くらいの虫食い穴やタバコ穴が、1箇所としても、

5~6千円から1万円くらいの料金になることもあります。(別途お見積りが多いです)

では、なぜこんなに高額な料金になってしまうのでしょうか。

実は私、お直しの仕事に就く前に、「かけはぎ」を習っていたことがあります。

大きな声では言えませんが、かけはぎ技能認定3級を保持しております。

だいぶ以前に私がやったかけはぎを例にご説明しましょう。



これが表側から見たところです。・・・ヘタですね。やっぱり・・・

もっと上手な人がやれば、全くわからないくらい綺麗に仕上がるはずです。(言い訳)

ミシン目や継ぎ跡などは、いっさい残りません。

いったいどんな方法なのかというと、



これは、裏側から見たところです。

これでもちょっとわからないですよね。

かけはぎには、共布が必要不可欠となります。



布の端をほぐしていくと、こんなふうに織糸がバサバサっとなりますよね。

共布を表側からキズの上にのせて、この織糸を1本ずつあるいは数本まとめて、

表生地に織り込んでというか差し込んで処理します。

考えただけでも気が遠くなる方もいらっしゃるのでは。

四方を全て処理したら、最後に動かないように止めをします。(2番目の写真です)

これだけ手間と高い技術が必要なので、高額の料金になるのです。

では、それ以外のもっとお安い修理の方法はないのでしょうか、と聞かれることがほとんどです。

お勧めしているのは、ミシンでたたく方法やニットなどは手かがりも。

キズの位置によっては、縫い目にしてカモフラージュすることもできます。

それぞれの素材やキズの具合によって適した方法がありますので、ご相談ください。

そして誠に申し訳ございませんが、私は現在「かけはぎ」は承っておりません。

時間的に無理ということもあるのですが、やはり技術が足りていません。

もっぱらお直しで頑張ります。


横浜大口の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン


  
タグ :かけはぎ


Posted by ボタン at 22:53Comments(0)お直し