2012年04月27日

ファスナーの下止金具

「忙しい」と「疲れた」という言葉を極力口にしないように!

と自分で心に決めていたのですが、ダメですね~最近は特に。

サイトからのご依頼はもちろん、お客様の口コミや元々のお得意様からも。

急に暖かくなったせいでしょうか、お直しも最盛期を迎えました。

フル回転で頑張っているのですが、納期などの関係でお断りしてしまったお客様、

せっかくアクセスいただきましたのに、本当に申し訳ございませんでした。

こんな時こそお役に立たなくてはいけませんのに、まだまだチカラ不足です。

また何かの機会がございましたら、ぜひご依頼いただければと思います。


ご近所にお住まいの顧客様からのお直しです。

スカートやワンピースなどレディスのお洋服によく使用されているファスナーは、

コンシールファスナーという表から見ると、ただの縫い目のようなファスナーです。

このファスナー、よく下の方がほつれたり、破れたりしてお直しになります。

今回もその一例です。



写真ではちょっとわかりにくいのですが、左の方の隙間がほつれている部分です。

本来は、それより少し上まででファスナーが止まるはずなのですが。

なぜこうなってしまうのかというと、裏側を見るとわかります。



付いているはずの下止金具がありません。

コンシールファスナーを買うと、必ず下の方に小さな金具が付いています。

ただこの金具は、ファスナーを縫い付けたあと、ペンチで締めないと動いてしまいます。

金具が止まっていないと、ファスナーのつまみがどんどん下がってしまい、

縫い目がほつれたり、更には生地が破れてしまうこともあります。



ファスナーの裏側に、このように下止金具を付けました。

今回は、幸い少しほつれただけでお直しできたので、大事には至りませんでした。

ほつれや破れの修理は、やはりできるだけ早めのお直しをお勧めします。

ただ、大きくなってしまったキズの修理も、それはそれで直し甲斐があるんですけどね。


横浜大口の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン




  


Posted by ボタン at 23:27Comments(0)お直し

2012年04月15日

スラックスのすり切れ修理

ちょっと久しぶりの更新になってしまいました。

ちゃんと仕事は毎日していたのですが、タチの悪い風邪をひいてしまいまして…

熱は出なかったのですが、喉をやられて声は出ないし、咳は止まらないし。

おかげ様で、だいぶ落ち着いてきたのですが、お客様にはご迷惑おかけしました。

様子を見ながら、仕事を続けています。

なんたって、もうお直し繁忙期に突入しているので、休んでいられません。

サイトをご覧になったお客様の皆様から、たくさんのお仕事をご依頼いただき、

また絶好調のお直し教室には、続々とお申し込みをいただきまして、

本当にありがとうございます!


ここのところ、ご依頼の多いスラックスの修理をご紹介します。

まずは、脇ポケット口のすり切れです。



手を出し入れすることの多い脇ポケット。

特に腕時計などで、すり切れてしまうことが多いようです。

そこで、どうするかというと、



はい、こんなにきれいに修理できます。

キズはどこへ消えたのかというと、



こちらの縫い目の中に入れ込んでしまいました。

需要が多く、またとても喜ばれる修理のひとつです。


そして、また多いのが、内股のすり切れです。



多くのお客様が、すり切れていたことに全く気がついていなかったとおっしゃいます。

ちょっと試しに見てみてください。

修理するとこんな感じになります。



裏側から当て布をして、表側から細かくミシンでたたいてキズを埋めてしまいます。

すり切れの場合は、全体に生地が薄くなってしまっているのことが多いので、

実際のキズよりも広めにミシンをかけます。

それから、裏側はこんな感じです。



私の場合は、当て布の周囲がボロボロしないように、必ずロックをかけます。

それと、直接肌に触れる部分なので、当て布の端がブラブラしないように、

端々まできちんとミシンをかけるように注意しています。

今回は、ご依頼いただきまして、ありがとうございました。


メンズスーツの場合、上着のほうは無傷でも、スラックスだけが傷んでしまう…

ということがよくあるようです。

でもあきらめずに、お直しして着続けていただきたいと思います。

すり切れの修理は、この他にもまだたくさんあります。

また折を見て、アップしたいと思います。


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Posted by ボタン at 23:52Comments(0)お直し