2013年04月03日

ミシン刺し修理

お直し屋の仕事というと、まず丈つめや幅つめのような寸法直しを

思い浮かべられるようですが、他にもいろいろあります。

例えば、破れてしまったりすり切れてしまった部分の修理もよく承ります。

今回の修理は、生地が傷んで弱くなってしまったお洋服です。

よほどのお気に入りだったとみえて、かなり着込まれた感じです。

インド綿のような素材で、年月を経てとても手触りが良くなっています。

しかし残念なことに、



大きな衿がマフラーのようになっているデザインで、衿付けのあたりが、

このように、糸が弱ってしまって、すだれ状に…



私もたくさんの例を見てきましたが、これは、かなりの重症です。

たぶん多くの人は、ここまできたらもう処分してしまうと思います。

でも、「お気に入りの服なので、修理してまた着たい」という

お客様のご要望にぜひお応えしたい!

というわけで、やらせていただきました。

かなり広範囲に亘って、生地が弱ってしまっているので、

見た目にはまだ大丈夫なところまで、広めにミシン刺し修理をします。

裏側から布を当てて、ただひたすら、ジャカジャカミシンをかけます…

そして、仕上りました。



あのすだれ状から、ちゃんとつながりました。

ちなみに、裏側から見るとこんなです。



ミシン目の跡がわかりますか?

やりがいのある仕事でした。

同業の仕事仲間だと、このような仕事がくるとだいたいは、

やりたくないな~と思ったりとか、お断りする人もいたりしますが、

私の場合は、逆にここまで着てくださって、修理にお持ちくださるなんて、

なんだか凄くうれしくなってしまいます。

とてもやる気がアップするというか、闘志が湧いてきます。

これからもこんなお仕事をやっていきたいと思います。


横浜・菊名の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン
  


Posted by ボタン at 20:28Comments(0)お直し