2014年02月05日

コートの肩幅つめ

今回もコートの肩幅のお直しをご紹介します。

これだけ何度も同じテーマで掲載するほど、ご依頼が多いのです。

これから、お直しに出そうかと考えていらっしゃる方々のご参考になれば。


今回は、こちらの有名ブランドのメンズ調ロングコートです。



この冬、テーラードカラーの「チェスターコート」が流行っているようです。

そのデザインからして元々メンズっぽいのですが、

こちらの場合は、更に前身頃にもしっかりと芯が据えられていて、

仕立も見た目もメンズ感覚で、全体にがっしりした印象です。

そして、やはり年数の経っている服のため、肩幅がとても広く、



より上半身が大きく、逆三角のように見えてしまいます。

これはこれでかっこいいと思いますが、着られる方は気になるものです。

そこで、肩幅を左右で2cmずつカットしました。



トルソーに着せた写真ですと、あまり変化がわからないかと思いますが、

実際にご着用になると、お直し前とはずいぶん印象が変わります。

もう少し引いて見ると、



上半身の大きさが、かなり抑えられているのがわかると思います。


それから、肩幅をつめると、自然と袖丈もその分短くなります。

今回の場合は、元から少し袖丈が短かったそうで、

同時に袖丈出しのお直しもすることになりました。

「出し」の場合は、どうしても縫い代の余分に限りがあるので、

裏地を継ぎ足す必要が出てきます。

でも、こちらのコートに関しては、予想以上に裏地の縫い代がたくさんついていたので、

結局継ぎ足しをせずに、そのまま仕上げることができました。

こういうところが、仕立の良いお洋服の素晴しいところですね。

「大事に長く着てほしい」というブランドの心意気が伝わってくるようです。


横浜・菊名の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン  


Posted by ボタン at 11:53Comments(0)お直し