2014年05月08日

ウールコートの修理

ゴールデンウイークも終わり、仕事のほうもやっと少し落ち着いてきました。

お直しがしばらく立て込んでしまって、仕上りにお時間がかかり、

お客様にはたいへんお待たせしてしまいました。

最近やっとお渡しできましたお直しからひとつご紹介します。


とてもお気に入りのようで、かなり長年ご着用されたウールのコートです。

とてもしっかりした素材で、裏地も凝った柄の生地が使われていました。

あちこち傷んでしまっていましたが、きっとお体になじみ、とても着心地が良く、

まだまだ着続けたいというご希望のご様子でした。

こんなお客様のお仕事をお承りできるのは、とても嬉しい限りです。

これは、何としてもできる限り全力でお直ししなければ。




まずは、ポケット口のすり切れです。

中の白っぽい芯が、ところどころ見えてしまっています。



いったんキズの部分を外して、縫い込み修理します。



キズはこの中に隠してしまいました。


それから、おなじみ?袖口のすり切れも



こちらもかなりの深いキズですが…



きれいに修理が完了しました。


それから、身頃の前端、特に上端と裾端のカドの部分がよくすり切れてしまいます。



上端は少し丸みがついていますが、



何とか元と同じような感じにできました。



そして裾もこのようになってしまっていましたが、



きれいに復活でいました。

今回のコートは、前が比翼あきでしたので、ちょうどミシンがうまい具合にかけることができ、

縫い込み修理がいい感じにできました。


他にも修理箇所は多々ありましたが、全て掲載すると際限なくなってしまうので、

今回はこのくらいにしておきます。

修理は手間も時間もかかりますし、正直「やってみないとわからない」ところもあり、

リスクも高いのですが、それだけにやりがいがありますし、腕の見せ所でもあります。

そして何より、お客様に喜んでいただけるのが、本当にありがたいですね。


横浜・菊名の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン

  


Posted by ボタン at 19:25Comments(0)お直し