2015年01月26日

レザースカートのウェストつめ

だいたい毎年1月~2月は、お仕事的には閑散期になりますが、

今年は、ちょっといろいろありまして…現在バッタバタの大忙し。

あ、でもお客様は少なめですので、今ならゆっくりご相談いただけますので。

どうぞご遠慮なくアトリエにお越しください。


今回は、ちょっと変則的なお直しのご紹介です。



こちらは、革素材のスカートです。

ウェストから両サイド・裾にかけて、無数のハトメが打ち付けてあるデザインです。

非常に手間のかかった素敵なデザインですが、細身のお客様にはウェストがかなり大きめ。

たぶん、全体で6~8㎝くらいはつめる必要がありそうです。

しかし・・・

このデザインでは、ウェストも両脇もダーツも手のつけようがありません。

ちなみに、お客様も数件他のお直し屋さんに持って行かれたそうですが、

どのお店でも、見せた途端に「これはできません。無理です」の返事だったそうで。

う~ん、それはごもっとも。

「どんな方法でもいいので、とにかく穿けるようになればいい」とのご希望でした。

でも申し訳ないのですが、このままお持ち帰りいただこうと、99%思っていました。

ですが・・・あ、そうか。

とっさに思いついたのは、こんな基本中の基本でした。



そう、ウェストにゴムを通して絞る。

ヒップ~裾のラインは、ほぼピッタリでしたので、ウェストさえ小さくなれば良かったのです。

革素材なので、多少のゴワつきはどうして残りますが、

着用されると、そんなに気にもなりません。

もちろん、ゴムを通すと言っても、布帛のものと違って、

あちこちの縫い代に縫い留めたり、ミシンも入らない箇所が多くて手作業も多く、

指先がかなり痛くなるほどではありましたが。

お客様もきっと、お直しは無理と諦めていらしたと思うのですが、

穿けるようになって、とても喜んでいただけました。


「行き詰まったら基本に返る」が役に立ちました。

お直し屋としては、これはとても荒っぽい方法と非難されそうですが、

技術云々よりも、お客様のご希望を実現することが一番大事と私は思っています。


横浜・大口の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン
  


Posted by ボタン at 19:04Comments(0)お直し