2015年05月15日

デニムのすり切れ修理

チカラ・ボタンのアトリエには、男性のお客様もよくお見えになります。

男性のお客様のご依頼の多いのが、このデニムパンツの穴あきやすり切れ。



も少し寄って見ると、



お尻のあたりがかなりすり切れて、生地が弱ってしまい破れてしまっている部分もあります。

ここまで傷んでしまうと、「もう処分してしまおう」という方も少なくないと思いますが、

しかし、デニムはこれくらい傷んだ頃が、とても着心地がよく快適に穿けるものです。

なかなか捨てるに捨てられない…といったところだと思います。



ただこの破れは、何とかしないとちょっと人前では穿けません。

そこで、お直し屋の仕事が必要となります。

さあ、それでは今回も、裏側から当て布をして、表側からミシンステッチで修理しましょう。

ミシンでザクザクとひたすら縫って、このようになりました。



パッカリと破れていたところも、ちゃんと塞がりました。

ミシン修理は、ステッチ糸の色選びが大きなポイントとなります。

生地の色より、濃い目がいいとか、薄い目がいいとか、人それぞれですが、

私は、候補の糸を実際に生地の上に置いて見て、一番自然になじむ色を選びます。

今回のデニムは、かなり色が抜けて薄くなったいたので、薄めのグレーの糸でした。



表からは、ほとんど縫い目はわからないくらいに、なじんでいると思います。

それから、ここまで傷んでいる場合は、当て布はできるだけ大きめにします。

裏側から見るとこの通り。



大きめの当て布に、びっしりとミシンがかかっているのがわかるでしょうか。

いつも書いていますが、ミシンステッチは当て布の端から端まできっちりと。

修理した直後は、どうしてもミシンをかけた部分がゴワついてしまいますが、

穿いているうちに体になじんで、柔らかくなってきます。

私もデニムパンツは何本も愛用しています。

以前は、修理したジーパンを人前で穿くのはちょっと抵抗がありましたが、

最近では、気に入った服をここまで修理して大事に着ているのは、

素晴らしいことだし、むしろ人に自慢できることじゃないんだろうかと、

どんどん外にも着ていきます。

何より動きやすいし、快適に仕事もこなせますし、お客様にご説明するにも便利です。

というわけで、修理したジーパンが今は何本も大活躍しています。



横浜・大口の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン

  


Posted by ボタン at 20:10Comments(0)お直し