2014年04月25日

紳士ジャケットの袖丈つめ

しばらくバタバタな日々が続いておりまして、なかなか更新できずにいました。

まずは、GW中のお休みのお知らせです。まことに勝手ながら、

5月3(土)、4(日)、5(月)、6(火)の4日間、お店は休業いたします。

※この期間は教室も行いません。

恐れ入りますが、お間違いのないよう、ご来店の際はご注意ください。


今回は、紳士スーツのジャケットの袖丈つめです。

まず、お直し前がこちらです。

紳士ジャケットの袖丈つめ

「あきみせ」といって、袖口があいているかのように重なって仕立てられています。

ボタンがいくつか付いていて、ボタンホールは実際に穴は開いていませんが、

飾りのステッチがかかっています。

よくあるジャケットの袖口の仕様がこんな感じです。

今回は、4.5㎝袖丈をつめることになりました。

このまま作業をすると、いくつかの問題が生じます。


まず、このあきみせ。

紳士ジャケットの袖丈つめ

指先を添えているところまで「あき」があるのですが、このまま寸法分つめてしまうと、

「あき」が短くなってとても格好が悪く見えてしまいます。

そこで、袖幅をやや内側に縫い込んで、あき止まりを上にずらして

「あき」をつめ寸法分延長してあげます。

紳士ジャケットの袖丈つめ

そうすれば袖丈をつめても、元と同じ分だけ「あき」の長さを確保できます。

途中に切込みが入っているので、あき止まりを上にはできないのでは?

と思われる方もいらっしゃるようですが、大丈夫できますので。

紳士ジャケットの袖丈つめ

重なり分が元の「あき」よりも少なくなってしまいますが、

表から見た分には、全く影響はありませんのでご安心ください。


そして、ボタンはいったん全部外して元と同じ位置に付け直します。

なのでボタンホールの見せかけの飾りステッチも、いったんほどいてしまいます。

この飾りステッチのことを「セッパ」といいます。

そこで私の場合は、新たに手縫いでステッチを作ります。

紳士ジャケットの袖丈つめ

変形のチェーンステッチを縫っています。

ボタンの数だけ作るので、縫い目がある程度揃わないと見栄えが悪くなってしまうので、

時間のある時に、時々練習するよう心掛けていますが…なかなかできません…

ちなみに、ボタンホールが飾りステッチだけでなく、実際に穴があいていることもあります。

その場合は「本セッパ」といって、袖口でつめ作業ができませんので、肩でつめます。


一口に袖丈つめと言っても、いろいろな場合があり、問題もあります。

お直しは「奥が深い」のです。


横浜・菊名の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン





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Posted by ボタン at 13:14│Comments(0)お直し
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