2013年01月27日

ダウンの破れ修理

自宅アトリエでやっていた頃から、いろいろな修理をお受けしてきました。

「他のお店に何件か持って行ったけれど、断られてしまって…」ということで、

お持ちになるお客様も、実は今までも少なくありませんでした。

そして、今回の修理もなかなかの難関?でした。



ダウンコートの裏側、ヒーターで焦がしてしまったということで、

裏地と中袋の表面が溶けて破れてしまい、中のダウンが見えてしまっています。

ここまでいってしまうと、修理を受けてくれないお店もあります。

このままでは、クリーニングもできません。

たぶん以前の私も、お承りしなかったと思います。

しかし、かつてより現在は世の中にダウンがかなり普及していること、

店舗を構えている意味、自分のスキルアップのためにも承ることにしました。

まず、中袋の破れを厳重に縫い合わせて、ダウンが出てこないようにします。

そして、裏地の破れ部分を少し大きめにカットして、別布を3か所入れ込み、

それぞれを縫い合わせます。



表側のキルティングも調整してかけ直します。

できる限りの手は尽くしたつもりですが、お客様にお渡しするまでは気が抜けません。

そして、昨日お客様がお引き取りに見えて、お見せしたところ、

予想以上の仕上りだったようで、とても喜んでいただけました。あ~よかった!

しかも、昨日はとても寒かったので、そのコートを着てお帰りになってくださいました。

仕事をさせていただいた者にとって、こんなに嬉しいことはありません。

本当にありがとうございました!


そして、昨日はまたこんなこともありました。

シャツの袖丈つめ、長袖を半袖にするというお直しですが、何と即日仕上げのご希望でした。

やはり何件かお直し屋さんに聞いたところ、全て断られてしまったそうで。(たぶんそうでしょう)

既に日も暮れていましたが、現状から考えて…できなくもないか…

とりあえず持ってきていただきました。

簡単にできそうな気もしますが、拝見したところ、幅調整も必要で結構手間がかかります。

もうお一人お客様が見える予定もあるし、果たして即日でできるかな…

お断りするなら今のうち…でもこんな時にこそ…自分がやらなくて誰がやる…よし、やろう!

とお承りしまして、ドキドキ緊張の連続でしたが、何とか仕上がりました。

無事、お客様にもお渡し出来ました。

おうかがいしたところ、お父様の還暦のお祝いに遠方までお送りになるとのこと。

配送の時間の都合などもあり、どうしても間に合わせたかったということでした。

良かった、間に合って。

このお客様のお父様への優しいお心遣いにも、心を打たれました。

こちらこそ、ありがとうございました!


この仕事をやっていて本当によかったと思います。

お店はオープン直後で、まだまだお客様も少なく、厳しい毎日ですが、

今後もお客様のお役に立てるように、しっかり頑張ろうという気持ちも新たになりました。


横浜・菊名の洋服お直しアトリエ&教室 チカラ・ボタン



  


Posted by ボタン at 15:18Comments(0)お直し