ちくちく針仕事　スペアボタン

ここ最近急に暖かくなってきたせいか、お直しのご依頼が突然増えてきました。

そんなこんなで仕事も立て込んでおりまして、なかなか更新ができずにおります…

ネタはたくさんあるのですが。

3月29日(木)は、アトリエ臨時休業させていただきます。


冬物アウターのお直しをたくさんお承りしておりますので、順々にご紹介いたします。

今回は、こちらのキャメルカラーの上品なロングコートです。



上質のカシミヤ素材で、縫製もしっかりとしたコートです。

ただ、やはり大分以前の製品だけあって、デザインに違和感があるのです。



まず肩の角ばった大きめのライン、ゆったり目の身幅、長めの着丈。

そして、お客様が特に気にされていたのが、衿のデザインとボタンでした。



ちょっと衿も大きめでしょうか…ボタンは上質ですが、これもちょっと昔の感じ。

というわけで今回のお直しは、あちこちに手をかけて、何とか今でも着られるデザインに。




気にされていた衿は、幅と長さを少しずつカットして、やや丸みを持たせました。

ボタンは、お客様の持ち込みで付け替えると、これだけでもかなり雰囲気が変わります。

そして全体のライン。




肩のラインは、出っ張りをそぎ落として、自然なラインになりました。

また少しもたついていた身幅も適宜そぎ落として、こちらもスッキリ。

着丈も今主流の膝丈にカットして、全体にコンパクトにスッキリとしました。

これなら、今でも違和感なくお召しになれると思います。


今回のお直しは、かなりの大きなお直しになりますので、それなりに料金もかかります。

しかし、それだけのお金をかける価値は充分にあると思います。

まず、10年以上前の製品は、とにかく素材の質が良いのです。

恐らく、購入された時にも相当な高額の製品だったと思います。

今の市場に出ている製品は、そこまで上質のものはまずなかなか見当たりません。

経済の状況の変化によるものだとは思いますが、そんな印象がします。

こんな時代だからこそ、お直しをもっともっとご利用いただきたいと思います。


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